久々に学園モノの番外編っぽいもの書きました。
一応ナナアルです。
てか、ナナアルがメインですから(笑)
「なんやの、この暑さ。死ぬ!てか死にたい!」
「勝手に死ねばいいだろ」
暑さに一人でじたばた暴れるナナシに冷ややかに言い放つ。
「そんな事言わんといてぇな、アルちゃん!
自分、アルちゃんとこれからもずっと生きていくんやから」
死ぬと言ったり生きると言ったり、訳が分からない。
「どうでもいいが…」
今は学校の帰り道。
先程まで動かしていた足を止め、下を向く。
「どないしたん、アルちゃ…」
「少しは静かにしろ!余計に暑いだろ!!」
言葉を遮って彼を怒鳴り飛ばす。
アルヴィスだって暑いのだ。
それを知ってか知らずか、下校中ひっきりなしにしゃべっていたナナシ。
我慢の限界が来た。
「ごめんな。けど、少しでも気が紛れへんかなぁおもて」
「紛れるようなものじゃない…」
言い返そうとして、ふらついた。
「アルちゃん!」
慌てて支える。
抱き止めるような格好だ。
「さっきから無理しとったんか!?ゆうてくれれば、おんぶしたんよ?」
「恥ずかしい…」
「こーゆう時は、意地張っとったらあかんの!」
言って、ナナシはアルヴィスの前で屈みこんで背中を向ける。
「…いい、一人で歩けるから」
「無理してんと!顔色も悪いで」
暑さのせいか、顔が火照って赤かった。
それを顔色が悪いと言うのは少し違う気もするが、今はそんな事を考える余裕もない。
「家まで、少しの辛抱や、な?」
言い出したら絶対に聞かない相手。
仕方なく、彼の背におぶさる。
「…ナナシは、平気なのか?」
ややあって、気になって尋ねる。
「なんの事?」
「お前だって暑いのに、俺なんか背負って…」
「自分は平気やから、気にせんといて」
いつもと変わらぬ、軽い口調にほっとする。
アルヴィスの家に着いて、ナナシは彼を背中から下ろす。
「少しは気分ようなった?」
「あ、ああ……その、ありがとう」
小声でお礼を言う。
「どういたしまして!いつでもゆうてや、いつでも支えになったるから!」
「いや、何度も、というのは遠慮しておきたい…」
ナナシの事だ、ちょっとした事でも過剰に心配しそうである。
「遠慮せんでもええのに」
「本当に、自分でどうしようも出来ない時があったら…その時は、言葉に甘えるかもしれない」
譲歩してそう言うと、ナナシの表情が明るくなる。
「まかしとき!」
おんぶされている時、思っていた。
ナナシの背中が広い事や、夏の暑さよりも余計に熱いと感じる自分がいる事。
いつも、彼のほうからアルヴィスの背に飛びついて来る事はあっても、自分から触れた事はなかった。
密着しているのに対して、鼓動は高鳴っていた。
最近になって特に意識しだした。
「俺も、変になったのか…?」
他に誰もいない部屋で、天井を仰いだ。
おわり
一応ナナアルです。
てか、ナナアルがメインですから(笑)
「なんやの、この暑さ。死ぬ!てか死にたい!」
「勝手に死ねばいいだろ」
暑さに一人でじたばた暴れるナナシに冷ややかに言い放つ。
「そんな事言わんといてぇな、アルちゃん!
自分、アルちゃんとこれからもずっと生きていくんやから」
死ぬと言ったり生きると言ったり、訳が分からない。
「どうでもいいが…」
今は学校の帰り道。
先程まで動かしていた足を止め、下を向く。
「どないしたん、アルちゃ…」
「少しは静かにしろ!余計に暑いだろ!!」
言葉を遮って彼を怒鳴り飛ばす。
アルヴィスだって暑いのだ。
それを知ってか知らずか、下校中ひっきりなしにしゃべっていたナナシ。
我慢の限界が来た。
「ごめんな。けど、少しでも気が紛れへんかなぁおもて」
「紛れるようなものじゃない…」
言い返そうとして、ふらついた。
「アルちゃん!」
慌てて支える。
抱き止めるような格好だ。
「さっきから無理しとったんか!?ゆうてくれれば、おんぶしたんよ?」
「恥ずかしい…」
「こーゆう時は、意地張っとったらあかんの!」
言って、ナナシはアルヴィスの前で屈みこんで背中を向ける。
「…いい、一人で歩けるから」
「無理してんと!顔色も悪いで」
暑さのせいか、顔が火照って赤かった。
それを顔色が悪いと言うのは少し違う気もするが、今はそんな事を考える余裕もない。
「家まで、少しの辛抱や、な?」
言い出したら絶対に聞かない相手。
仕方なく、彼の背におぶさる。
「…ナナシは、平気なのか?」
ややあって、気になって尋ねる。
「なんの事?」
「お前だって暑いのに、俺なんか背負って…」
「自分は平気やから、気にせんといて」
いつもと変わらぬ、軽い口調にほっとする。
アルヴィスの家に着いて、ナナシは彼を背中から下ろす。
「少しは気分ようなった?」
「あ、ああ……その、ありがとう」
小声でお礼を言う。
「どういたしまして!いつでもゆうてや、いつでも支えになったるから!」
「いや、何度も、というのは遠慮しておきたい…」
ナナシの事だ、ちょっとした事でも過剰に心配しそうである。
「遠慮せんでもええのに」
「本当に、自分でどうしようも出来ない時があったら…その時は、言葉に甘えるかもしれない」
譲歩してそう言うと、ナナシの表情が明るくなる。
「まかしとき!」
おんぶされている時、思っていた。
ナナシの背中が広い事や、夏の暑さよりも余計に熱いと感じる自分がいる事。
いつも、彼のほうからアルヴィスの背に飛びついて来る事はあっても、自分から触れた事はなかった。
密着しているのに対して、鼓動は高鳴っていた。
最近になって特に意識しだした。
「俺も、変になったのか…?」
他に誰もいない部屋で、天井を仰いだ。
おわり